外国人留学生のアルバイト採用ガイド:不法就労を防ぐための必須知識
近年、少子化による人手不足の解消策として、外国人留学生をアルバイトとして雇用する企業が増えています。
特に、小売店や飲食店などでは、多言語での接客といった新たなメリットも期待できるため、外国人留学生は貴重な労働力となっています。
しかし、彼らを雇用する際には、日本の法律に基づいた特別なルールや注意点を正しく理解し、遵守することが不可欠です。
本記事では、企業の採用担当者や経営者の皆様が、外国人留学生を安心して雇用できるよう、その現状から採用時のポイント、注意すべき法律までを網羅的に解説します。
外国人留学生雇用の現状と動向
外国人留学生のアルバイト雇用を検討する前に、まず彼らがどのような存在で、日本でどのような活動をしているのかを把握することが重要です。
外国人留学生の定義と在留資格
日本における「外国人留学生」とは、入国管理局から「留学」という在留資格を付与され、日本の教育機関で学ぶ外国人を指します。
高校・大学・専門学校だけでなく、日本語学校や小中学校で教育を受ける外国人も含まれます。
彼らの本来の活動目的は「学業」であり、アルバイトはあくまで学業に付随する「資格外活動」として認められています。
留学ビザ発給件数とアルバイトの状況

データ出典:e-Stat政府統計の窓口 https://www.e-stat.go.jp/
在留外国人統計(旧登録外国人統計) 在留外国人統計によると、2024年12月時点で、在留資格「留学」をお持ちの総人数は約40万人。

データ出典:独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)の『令和5年度 私費外国人留学生生活実態調査』
また、独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)の『令和5年度 私費外国人留学生生活実態調査』によると、全体の 65.2%が何らかのアルバイトに従事していました。
職種は、軽労働の「飲食業」が最も多く、39.2%です。

これは、人手不足に悩むこれらの業界にとって、留学生が重要な働き手となっていることを示しています。
外国人留学生を雇用する際の法的注意点
外国人留学生の雇用には、日本人とは異なる特別なルールがあります。
これらのルールを無視して不法就労をさせてしまうと、雇用主にも重い罰則が科せられる可能性があります。
1. 「資格外活動許可」の確認が必須

外国人留学生が日本でアルバイトをするためには、必ず「資格外活動許可」を取得している必要があります。
この許可なくアルバイトをさせた場合、留学生本人が強制送還の対象となるだけでなく、雇用した事業者も「不法就労助長罪」として罰則の対象となります。
不法就労であることを認識していなかったとしても、3年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があるため、注意が必要です。
2. 「週28時間ルール」と長期休暇中の特例
資格外活動許可を得たからといって、無制限に働かせられるわけではありません。
原則として、外国人留学生がアルバイトできるのは週28時間以内と定められています。
これは、複数のアルバイトを掛け持ちしている場合でも、すべての就業時間の合計が28時間を超えてはならないというルールです。
しかし、夏休みや冬休みなどの学校が定める長期休暇中については、1日8時間まで働くことが認められています。
この期間は、日本人と同じく労働基準法が適用され、週40時間が就労時間の上限となります。
雇用主は、留学生の学業に支障が出ないよう、また法律を遵守するためにも、徹底した就労時間管理を行う必要があります。
3. 風俗営業でのアルバイトは禁止

留学生は風俗営業が行われる事業所では働くことができません。
この「風俗営業」は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」によって規定されており、以下の5つの業態が該当します。
- クラブ、キャバレー、ホストクラブなどの接待を伴う飲食店
- 照明が暗く、ムードのある飲食店(例:バー、居酒屋)
- 客席が個室で区切られた飲食店(例:ネットカフェ)
- 麻雀店、パチンコ店など
- ゲームセンターなど
これらの業態で留学生を働かせた場合、不法就労となるため、採用担当者は事業内容を正しく理解しておく必要があります。
4. 卒業後はアルバイト不可
アルバイトをするための「資格外活動許可」は、在留資格『留学』に規定される「学業」に付随して許可されるものです。
そのため、卒業後は学業を終えた状態となるため、たとえ在留期間が残っていたとしてもアルバイトをすることはできません。
採用面接時の重要なポイント

外国人留学生をアルバイトとして採用する際には、トラブルを未然に防ぐために、面接段階でいくつかの重要な確認を行う必要があります。
1. 在留カードの確認
採用面接時には、必ず在留カードを提示してもらい、以下の4つの項目を確認しましょう。
- 在留カードが本物か、偽造カードではないか
- 在留カードの有効期限が切れていないか
- 在留資格が『留学』であるか
- 『資格外活動許可』を受けているか
資格外活動許可を受けている場合、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されています。
この記載がない場合は、留学生に許可を申請してもらう必要があります。
2. 厳格な就労時間管理

複数のアルバイトを掛け持ちしている留学生も多いため、1つの勤務先で週28時間以内というルールを厳格に守っていても、合計で超過してしまう可能性があります。
オーバーワークは、在留資格の更新が認められなくなるなど、留学生本人の在留に影響を与えるだけでなく、雇用主も不法就労助長罪に問われる可能性があります。
雇用主として、留学生の就労時間を把握し、厳格に管理する体制を整えることが非常に重要です。
面接時に他のアルバイトの有無を確認したり、シフト管理システムを導入して時間を正確に管理したりするなど、対策を講じましょう。
また、日本人と同じ労働基準法が適用されるため、毎週1日の法定休日や、労働時間に応じた休憩時間(6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上)を設ける必要があります。
3. ハローワークへの届出

留学生を雇用する際は、雇用形態(アルバイト・正社員)に関わらず、採用時と離職時にハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を提出する必要があります。
これはオンラインまたは最寄りのハローワークで行うことができます。
まとめ

外国人留学生の雇用は、人手不足の解消や多言語対応といった企業にとっての大きなメリットにつながります。
しかし、彼らを適正に雇用するためには、「資格外活動許可」や「週28時間ルール」など、日本の法律を正しく理解し、遵守することが不可欠です。
適切な確認と管理を行うことで、企業も留学生も安心して働くことができる環境を築き、双方にとって有益な関係を構築しましょう。
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