山口県バス・タクシー外国人採用セミナーレポート|人手不足解消の具体策
山口県内の公共交通インフラを支えるバス・タクシー事業者の皆様に向け、外国人運転士採用の「今」を伝えるセミナーを開催いたしました。
当日は、山口県観光スポーツ文化部交通政策課の磯部様にもご登壇いただき、県内の交通情勢を背景とした外国人材活用の必要性が語られるとともに、深刻な人手不足への対策として注目される「特定技能」の活用法、具体的な採用・教育の流れ、そして成功の鍵を握る受け入れ態勢の整備にいたるまで、山口県内での外国人採用を成功させるための重要ポイントを詳しく解説いたしました。
外国人運転士受入環境整備に関するセミナー(外国人運転士の雇用の必要性や制度理解、要件、手続き等について)
日時:令和8年1月21日(水)14:00~16:00
場所:山口市産業交流拠点施設 KDDI 維新ホール 会議室205A
対象:山口県内のバス・タクシー事業者、運行管理者、経営層の皆様
山口県における交通インフラ維持と外国人採用の必要性

令和8年1月21日、山口市のKDDI 維新ホールにて「令和7年度 外国人運転士受入環境整備に関するセミナー」を開催いたしました。
現在、山口県のみならず全国のバス・タクシー業界が直面している最大の課題は、深刻な運転士不足です。
人口減少と高齢化が加速する中で、地域住民の移動手段である公共交通をいかに維持していくかは、自治体・事業者双方にとって最優先の経営課題となっています。
こうした状況を受け、本セミナーでは、山口県観光スポーツ文化部交通政策課の磯部様にもご登壇いただき、行政と民間が一体となって取り組むべき外国人材活用の方向性を共有いたしました。
当日はオンライン参加も含め、県内から18社、延べ30名の方々にご参加いただき、現状の採用難に危機感を持つ多くの経営層・担当者様と活発な情報共有が行われました。
2030年の危機:山口県の事業者が外国人採用を検討すべき理由

労働力不足がもたらす公共交通の限界
現在の状況が続けば、2030年には全国のバス事業者で約3万6,000人、タクシー事業者で7万人弱もの人員が不足すると予測されています。
山口県内においても、路線バスの減便やタクシーの稼働率低下といった形で、人手不足の影響は既に避けられない現実となっています。
「外国人1割社会」の到来と多文化共生経営
さらに長期的な視点では、2070年には日本の人口の10%が外国人となる「外国人1割社会」が到来すると言われています。
これまで日本人ドライバーの採用に活路を見出してきた山口県の事業者様も、今後は「外国人材との共生」を前提とした経営スタイルへの転換が強く求められます。
セミナーでは、「女性の活用」「定年延長」「DXによる効率化」と並び、「外国人雇用」を人手不足対策の「四本柱」の一つとして、不可欠な戦略に据えることの重要性が語られました。
「特定技能」制度:外国人運転士を雇用するための3つの要件

2024年に「特定技能」の対象職種へ自動車運送業(バス・タクシー・トラック)が追加されたことは、山口県内の採用市場にとっても大きな転換点となりました。
ただし、旅客運送においては極めて高い安全確保と接客水準が求められるため、二種免許の取得をはじめとする業界固有の要件をクリアしなければなりません。
日本語能力(N3レベルの壁)
バス・タクシー運転士として従事するには、日本語能力試験(JLPT)で「N3」以上の合格が制度上の必須要件となっています。
これは「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる」水準と定義されています。
貨物(トラック)の要件であるN4よりも一段高い習得レベルが求められる背景には、乗客との円滑なコミュニケーションはもとより、緊急時における迅速かつ的確な状況判断や安全確保を担保するという、旅客運送ならではの重要な目的があります。
特定技能評価試験の合格
バス・タクシー等の運転者として従事するためには、「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」への合格が義務付けられています。
試験では、日本の道路交通法や車両の点検知識に加え、旅客運送特有の接客や安全管理に関する理解が厳格に問われます。
外国免許(外免)切り替え手続き
採用実務において最大の関門となるのが、母国で取得した運転免許を日本の免許へ切り替える「外国免許切り替え(外免切替)」のプロセスです。
国によって切り替えの難易度や免除項目が大きく異なるため、どの国から人材を募るかという「戦略的な送出国の選定」が、山口県での採用成功を左右する極めて重要な鍵となります。
戦略的外国人採用:山口県にマッチする人材とターゲット国

セミナーでは、具体的なターゲットとなる送出国や、効率的な採用ルートについても実務レベルまで踏み込んだ解説がなされました。
国内在住外国人の積極活用
まずは、既に日本での生活基盤がある「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」といった、就労制限のない人材の採用を「ファーストステップ」として検討することが提言されました。
こうした人材は、日本の生活習慣や交通ルールに習熟しているため、教育コストを低く抑えつつ、早期の戦力化が期待できるというメリットがあります。
海外採用における有望な国々
海外から新たに人材を招聘(しょうへい)する場合、特に以下の国々が注目されています。
インドネシア:日本と同様の「左側通行」であり、交通環境の親和性が極めて高いのが特徴です。
また、宗教・文化的背景から「お酒を飲まない(不飲酒)」人が多く、安全第一の旅客運送業において大きな安心材料となります。
ネパール:真面目な国民性で定着率が高く、山口県内でも製造業や介護などの他職種において、既に豊富な採用実績がある国として期待が寄せられています。
経営者が知っておくべき採用コストの考え方と助成金
「外国人採用はコストがかさむのでは?」という懸念に対し、本セミナーではその費用を「単なる経費」ではなく、将来の成長を支える「投資」として再定義する視点が提示されました。
将来への投資としての採用費用と高い定着率
海外からの採用には、渡航費や入居支援、二種免許取得までの生活支援など、一定の初期費用が発生します。
しかし、ここで注目すべきは「30代を中心とした若手層の確保」と「最長5年間にわたる高い定着率」です。
日本人の中途採用において、多額の求人広告費を投じても短期離職のリスクを完全に払拭しきれない現状を考えれば、特定技能人材の優位性は明らかです。
彼らは中長期の就労を前提として来日するため、教育した人材が長期にわたり現場の主力として定着し、「経営の安定化」に大きく寄与します。
費用対効果を中長期的な視点で捉えれば、非常に投資価値の高い選択肢と言えるのです。
山口県で活用できる助成金・支援金
さらにセミナーでは、山口県内の事業者が活用できる具体的な公的支援策についても紹介されました。
厚生労働省「外国人労働者向け環境整備助成金」就業規則等の多言語翻訳や、教育環境の整備に伴う費用の一部を支援する制度です。
山口県独自の外国人材確保・定着支援事業:県内企業による円滑な受け入れや、居住環境の確保などを後押しする山口県ならではの支援メニューです。
これらの支援制度を戦略的に組み合わせることで、初期の導入負担を大幅に軽減し、スムーズな受け入れ体制を構築することが可能です。
おわりに:山口県の未来の交通を新しい力と共に創る
今回の「令和7年度 外国人運転士受入環境整備に関するセミナー」を通じて、山口県内での外国人採用は、もはや「遠い未来の話」ではなく、直ちに着手すべき「実効性のある解決策」であることが再認識されました。
人手不足を理由とした路線の廃止や稼働率の低下は、地域交通の維持を困難にするだけでなく、地域経済そのものの衰退を招きかねません。
山口県の事業者の皆様が、外国人材という「新たな活力」と共に、地域住民の移動手段を守り抜いていかれること。
本セミナーが、その確かな一歩となれば幸いです。
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