富山県のバス運転手外国人採用|人手不足を打破する成功の鍵と3つの覚悟

【開催概要】
バス運転手の外国人材受入れに関する調査業務報告会
日時:令和8年2月3日(火)10:30~12:00
場所:富山県防災危機管理センターB4階会議室
対象:富山県内のバス事業者、経営層の皆様

富山の公共交通を守るための「新たな一歩」

令和8年2月3日、富山県庁にて「バス運転手の外国人材受入れに関する調査報告会」が開催されました。

現在、富山県内のみならず全国のバス事業者が、かつてないほどの運転手不足に直面しています。

「運転手が足りないから、路線を維持できない」。

そんな切実な悲鳴が上がる中、報告会では、外国人材の受け入れを単なる「補充」ではなく、地域のインフラを共に支える「新たな担い手」として迎えるための重要なポイントを詳しく解説しました。

本稿では、報告会で共有された最新のデータ、成功事例、そして採用にあたって不可欠な「3つの覚悟」について詳しくレポートします。

社会課題:2030年に向けた「バス業界の危機」と富山の現状

今、バス業界をとりまく環境は、まさに「非常事態」と言えます。

深刻化する2030年問題

調査データによると、2030年には全国で約3万6,000人のバス運転手が不足すると予測されています。

日本全体で見ても、同年までに644万人の労働力が不足するという衝撃的な未来が待ち構えています。

これは、富山県においても持続可能な地域交通を維持していくために重要な問題です。

外国人材から見た「日本」の価値

「円安が進む中、外国人はもう日本に来ないのではないか」という不安を耳にすることがあります。

しかし、世界的な視点で見れば、日本(特に地方都市)の評価は依然として高いままです。

項目 詳細・特徴
治安の良さ 家族を呼び寄せて暮らす上での最大の安心材料です。
生活環境 医療体制や教育環境の充実。
移住先人気 実は、アジア諸国の労働者にとって、日本はアメリカに次いで「働きたい国」第2位にランクインしています。

富山県という豊かな自然と安定した生活環境は、外国人材にとって非常に魅力的な「職場」になり得るのです。

外国人雇用の制度概要:特定技能と富山在住者の活用

外国人材を採用するルートは、大きく分けて2つあります。

特定技能(自動車運送業)の活用

2019年に始まった「特定技能」制度に、令和6年度から「自動車運送業」が追加されました。

これにより、今後5年間で2万4,500人の外国人が日本の運送業界に参入することが見込まれています。

この制度は、即戦力に近い技能を持つ人材を対象としており、バス運転手としての活躍が期待されています。

富山県内の「身分資格者」という大きな可能性

実は、すでに富山県内に住んでいる外国人に注目することが、採用成功の近道かもしれません。

「永住者」「日本人の配偶者」「定住者」といった身分に基づく在留資格を持つ人々です。

富山県内の対象者:約5,800人(推計)

複雑な送り出し手続きが不要で、すでに日本の生活様式や簡単な日本語を習得しているケースが多いことが、身分資格者を採用するメリットです。

彼らにとって、公共交通機関の運転手という「地域の顔」になる仕事は、非常に誇り高いキャリアとして映ります。

各国の特徴:交通ルールと富山の道路事情への親和性

どの国の人材を採用すべきか。報告会では、日本(富山)の道路事情との親和性が語られました。

インドネシアとネパールの親和性

両国とも日本と同じ「左側通行」です。

右側通行の国の人材と比較して、右左折時の感覚や道路標識の視認、死角の捉え方などの習得が圧倒的に早いのが特徴です。

項目 詳細・メリット
宗教的背景 イスラム教徒が多いインドネシアや、敬虔なネパール人はお酒を飲まない習慣を持つ人が多く、安全運転が絶対条件の運転業務において高い適性を持っています。
親日感情 どちらの国も非常に親日的で、丁寧な接客やルール遵守への意識が期待できます。

外国人運転手採用事業者の事例紹介

成功している事業者には共通の「工夫」があります。

「岡崎モデル」自治体と連携した定住支援

愛知県岡崎市での事例(名鉄バス等)は、事業者が単独で動くのではなく、自治体が住居確保や日本語教育をバックアップする仕組みです。

富山県においても、事業者が孤立せず、地域ぐるみで彼らを「県民」として受け入れる体制が重要になります。

ICTを活用した「見える化」研修

ある事業者では、外国人が苦労する「難読な停留所名」や「車内放送」に対し、タブレット端末を導入しています。

項目 詳細・工夫
停留所名のローマ字化 漢字が読めなくても、音声とローマ字で確認できる仕組み。
クイズ形式の学習 楽しみながら路線の特徴を覚える工夫。

富山県内の複雑な路線網や、冬の雪道対応なども、こうしたデジタルツールの活用で教育のハードルを下げることが可能です。

外国人運転手の雇用に必要な要件や手続き

具体的なステップを確認しましょう。

日本語能力の確保

少なくともN3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル)以上が望ましいとされています。

特定技能評価試験の合格

専門知識の証明が必要です。

免許の取得(外面切り替え・取得)

特定活動(12ヶ月)状態で入国後、大型二種免許を取得するまでの期間として最大12ヶ月の猶予が認められます。

実際には、3〜4ヶ月程度で免許を取得し、実務研修に入るケースが一般的です。

自社でこれら全てを行うのが難しい場合は、生活支援を代行する「登録支援機関」の活用を検討してください。

外国人運転手のメリット:富山の公共交通を支える新戦力

外国人採用は単なる「数合わせ」ではありません。

項目 詳細・メリット
若手人材による
組織の活性化
採用される外国人材の多くは30〜40代。高齢化が進む日本の運転手現場において、貴重な「若手」となります。
高い就労意欲 「日本のバス運転手」という職種は、彼らにとって社会的地位が高く、家族を養うための安定した魅力的な仕事です。
定着率の向上 日本の生活に馴染み、地域に受け入れられた外国人材は、離職率が低い傾向にあります。

雇用時のポイントやコミュニケーションの取り方

現場での「摩擦」を恐れる必要はありませんが、事前の準備は必要です。

「優しい日本語」の徹底

「あうんの呼吸」は通用しません。

「早めに来て」ではなく「8時10分までに来てください」と、具体的で短い言葉(優しい日本語)を使うだけで、誤解の9割は防げます。

富山特有の表現へのフォロー

富山弁や地元の慣習などは、彼らにとって高いハードルになります。

日本人スタッフが「彼らはまだ言葉を学んでいる最中だ」という理解を持ち、積極的に声掛けを行う風土作りが不可欠です。

支援制度の活用

富山県内でも、通訳機の導入や車内表記の多言語化に対し、助成金が活用できる場合があります。

これらを活用し、物理的な障壁を取り除きましょう。

富山の未来を創る「3つの覚悟」

報告会の最後に、非常に重要なメッセージが送られました。外国人採用を成功させるには、以下の「3つの覚悟」が必要です。

STEP
01
事業者の覚悟
「言葉が通じないから無理」と諦めるのではなく、育てる仕組みを作り、彼らを仲間として守り抜く決意。
STEP
02
行政・団体の覚悟
制度の周知、免許取得の支援、地域社会との橋渡しを継続的に行うバックアップ。
STEP
03
乗客(県民)の覚悟
外国人運転手が運転するバスに乗ることを「当たり前」として受け入れ、温かく見守る社会の空気感。

富山県の公共交通の未来は、この3つの覚悟が揃った時に、初めて明るいものへと変わります。

外国人材は、私たちの生活を支え、共に富山を創る「パートナー」なのです。

まずは、身近な在留外国人へのアプローチや、特定技能制度の検討から始めてみませんか?

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