【外国人ドライバー】「日本のホスピタリティに感動した」医療現場からバス運転手へ | 特定技能候補生Mさんが描く未来

現在、日本のバス業界は深刻な運転手不足に直面しています。

その解決策の一つとして注目されているのが、在留資格「特定技能」による外国人材の受け入れです。

今回は、インドネシア出身で、16年にわたる日本での生活を経て、大型二種免許を取得しバス運転手への挑戦を続けているマラメスさんに、その志望動機や日本への想いを伺いました。

1. 「医療」から「運転」の世界へ16年の歩みと家族の絆

まず、マラメスさんが日本に来たきっかけを教えてください。

私は今から16年前、2009年頃に日本に来ました。

当時はインドネシアの病院で働いていましたが、現地の給与が低かったこともあり、キャリアアップのために政府の援助を受けて来日しました。

最初は「特定技能」ではなく、介護・医療分野での就労を目指しての来日でした。

16年前というと、日本語も大変だったのではないですか?

はい、最初は日本語が全くわからず、本当に緊張しました。

当時は日本語能力試験(JLPT)のN3も持っていませんでした。でも、「勉強しながら頑張って働きたい」という一心で、最初の6ヶ月間は必死に勉強しました。

その後は病院で働きながら、周りのスタッフと会話することで、少しずつ身につけていきました。

今ではご家族も日本で暮らしているそうですね。

はい。日本での仕事を通じて知り合ったインドネシア出身の妻と結婚しました。妻も勉強熱心で、すでにN2を取得しています。

今は千葉県柏市に住んでいて、7歳になる子供がいます。

子供は日本の小学校に通っているので、家族の中で一番日本語が上手ですよ。

家族が日本で安定して暮らしていくためにも、長く続けられる仕事に就きたいと考えています。

2. なぜ「バス運転手」なのか 日本の交通システムへの憧れ

医療の現場で働いていたマラメスさんが、なぜバス運転手を目指すようになったのですか?

理由は大きく分けて二つあります。一つは、もともと運転が大好きで、色々な場所へ行くことが好きだったこと。

そしてもう一つは、日本のバス運転手さんの姿を見て「すごい!」と感動したからです。

具体的に、どのような点に感動したのでしょうか。

仕事ぶりがとても丁寧で、お客様を手助けする姿勢(ホスピタリティ)が素晴らしいと感じました。

また、日本の交通ルールはとても厳格で、システムがしっかりしています。

インドネシアのバスは、残念ながら信号を守らなかったり、安全運転ではなかったりすることが多いです。

免許を取るのも日本より簡単です。私は、日本の安全で正しい交通ルールを学び、その中でプロとして働きたいと強く思うようになりました。

「おもてなし」の精神に惹かれたのですね。

はい。病院で働いていた時も、人と関わったり、誰かを助けたりすることに大きなやりがいを感じていました。

バスの運転手も、安全に運転するだけでなく、お客様とコミュニケーションをとり、心地よい時間を提供することが大切だと思います。

その点は、私のこれまでの経験が活かせると信じています。

3. YouTubeと独学で掴んだ「大型免許」努力の軌跡

バス運転手になるためには高いハードルがありますが、どのように準備を進めましたか?

最初は普通免許から始まりましたが、もっとレベルアップしたいと考え、まずは中型免許を取りました。

中型免許を取得した後は、トラックの仕事も経験しました。

しかし、やはりバスを運転したいという夢が捨てきれず、さらに大型免許を取得しました。

専門用語や漢字など、勉強で苦労された点もあったかと思います。

漢字は本当に難しかったです。

また、これまで医療関係で使っていた言葉と、運転の専門用語は全く違うので、最初は戸惑いました。

勉強は、自動車学校に通いながら、自分でも問題集を買ったり、YouTubeの解説動画を繰り返し見たりして工夫しました。

日本の厳しい交通ルールを正しく理解するのには時間がかかりましたが、一歩ずつ進んできました。

4. 未来へのビジョン:インドネシアと日本の架け橋に

将来は、どのようなバス運転手になりたいですか?

最終的には「観光バス」の運転手になりたいという大きな夢があります。

自分自身も日本の美しい景色を見て回るのが好きですが、自分の母国であるインドネシアから来る観光客の皆さんを案内したいんです。

それは素晴らしい夢ですね。

日本を訪れるインドネシア人は増えています。

そこにインドネシア人の運転手がいたら、言葉や文化の面で安心して旅行を楽しんでもらえるはずです。

インドネシア人観光客が日本をもっと好きになるお手伝いができる、そんな運転手になりたいです。

最後に、外国人採用を検討している日本の企業や、これから日本で挑戦しようとしている仲間にメッセージをお願いします。

外国人であっても、安全運転への意識、時間を守る姿勢、そして「プロとしてやり抜く」という自信を持って取り組めば、必ず道は開けると思います。

私は日本が大好きで、ここで長く安定して働きたいと考えています。

子供の成長のためにも、バス運転手という素晴らしい仕事を通じて社会に貢献し、家族を支えていきたいです。

インタビューを終えて:採用担当者の皆様へ

マラメスさんの話から伝わってきたのは、単なる「運転好き」を超えた、日本の交通システムへの深いリスペクトと、医療現場で培われた「人を助けたい」という誠実な人柄です。

16年という日本での生活実績は、文化への適応力だけでなく、日本語でのコミュニケーション能力の高さも裏付けています。

彼のような「日本のルールを学び、おもてなしを実践したい」と願う意欲的な人材こそが、これからのバス業界に新しい風を吹き込み、深刻な人手不足を解消する鍵となるのではないでしょうか。

特定技能という新しい枠組みは、彼らのような熱意あるドライバーと、日本の企業を結ぶ大きな架け橋になるはずです。

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