【採用前に必ず確認】ビザが下りない理由とは?日本における外国人採用の注意点

外国人材の採用は、労働力不足に悩む日本企業にとって重要な選択肢となっています。

しかし、外国人を雇用する際に避けて通れないのが就労ビザの申請です。

残念ながら、すべての申請が許可されるわけではなく、不許可となるケースも少なくありません。

特に企業側にとっては、不許可の原因を理解し、適切な対策を講じることが外国人材のスムーズな受け入れに不可欠です。

本記事では、入国在留管理庁(以下、入管)による就労ビザ申請が不許可となる主な理由と、企業が不許可を防ぐために講じるべき具体的な対策について、豊富な事例を交えながら詳しく解説します。

就労ビザ申請が不許可になる主な原因

就労ビザ、特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格申請において、不許可となる原因にはいくつかの典型的なパターンがあります。以下の3つの理由が多く見られます。

1. 外国人が専門学校や大学で学んだ内容と仕事内容の関連性

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、申請者の学歴(専門学校や大学での専攻分野)と従事しようとする業務内容の関連性が重要な要件となります。

この関連性が認められない場合、申請が不許可となる可能性が高くなります。

ただし、専攻科目と業務内容が完全に一致する必要はなく、関連性があれば問題ありません。

大学(短大・院)卒業の場合、学んだ内容と業務内容の関連性については比較的緩やかに審査されますが、完全に無視されるわけではないため注意が必要です。

個別の審査においては、一定の関連性が求められます。

一方、専門学校卒業の場合は、より厳密に審査が行われます。専門学校で学んだ科目と業務内容に関連する科目が1、2科目のみでは、「専攻科目と業務内容が関連している」とはみなされません。

事例:

・美容専門学校を卒業した外国人が、外食産業の店舗スタッフとして働く場合。美容の専門知識と飲食店のホール業務には直接的な関連性がないと判断されやすいです。

・法学部で法律を学んだ外国人が、一般企業の事務職として働く場合。事務職の具体的な内容によっては、学んだ法律知識との関連性が薄いとみなされることがあります。

一方、美容専門学校卒の外国人が美容関連製品を扱う貿易会社や化粧品会社で働く場合、法学部卒の外国人が法律事務所で弁護士補助業務に従事する場合などは、関連性が認められやすく、許可になる可能性が高まります。

2. 外国人が行う仕事内容が在留資格の要件に該当しない

申請する在留資格で認められている活動内容と、実際に外国人が従事する予定の仕事内容が合致しない場合も不許可の大きな原因となります。特に「技術・人文知識・国際業務」は、自然科学、人文科学の分野に属する技術・知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務に限定されています。

事例:

・教育学部を卒業した外国人が、弁当製造工場で弁当の箱詰め作業に従事するとして申請した場合。この業務は、人文科学分野の知識を要する業務とは認められず、不許可となります。

・留学生がコンビニエンスストアでのレジ打ちや品出しといったアルバイトをしていた経験から、卒業後も同じ店舗で正社員として働く場合。これらの業務は一般的に「技術・人文知識・国際業務」には該当しないと判断されることが多いです。

飲食店や小売店であっても、店舗管理や商品開発など、学術的な知識や国際的な視点を活用する業務であれば該当する可能性もありますが、単なる現場作業では認められにくい傾向があります。

3. 外国人の在留状況が良好でない

これは特に「留学」の在留資格から就労系の在留資格へ変更する場合に多く見られる不許可理由です。

日本でのこれまでの滞在状況に問題がある場合、申請が不許可となる可能性が非常に高まります。

事例:

・資格外活動許可(アルバイト許可)で定められた週28時間の上限を超えて働いていた場合。これは入管法違反となり、在留状況が悪いとみなされます。

・学校の出席率が極端に悪い、あるいは既に学校を退学・除籍処分となっている場合。「留学生は学業が本分である」という観点から、本分を疎かにしていたと判断されます。

これらのケースでは、「日本での滞在ルールを守れない人物」とみなされ、今後の日本での在留が認められない可能性が高くなります。

就労ビザ申請が不許可になった場合の対処法

万が一、就労ビザ申請が不許可になってしまった場合でも、いくつかの対処法があります。

迅速かつ適切に対応することが、外国人材の雇用機会を失わないために重要です。

1. 不許可の具体的な理由を把握する

入管からは不許可通知が届きますが、そこに記載されている理由は概要にとどまることが多いです。

具体的な不許可理由を知るためには、本人(または申請取次者)が入管に出向いて直接説明を受ける必要があります。

不許可理由を正確に把握することが、再申請の可能性を探る上で最も重要な第一歩となります。

複数の不許可理由が存在する場合もありますが、入管が伝えるのは一部であることもあります。

したがって、推測ではなく、必ず入管に確認に行くようにしましょう。

2. 再申請を行えるか判断する

不許可理由が改善可能な内容であれば、改善措置を講じた上で再申請を行うことが可能です。

例えば、仕事内容と学歴の関連性が不足していると判断された場合でも、企業規模が大きく、外国人の専攻と関連性のある部署や業務が存在するならば、配置転換を検討し、職務内容を変更して再申請するという方法が考えられます。

しかし、不許可理由の改善が難しい場合や、明らかに在留資格の要件を満たせない場合は、再申請しても再度不許可になる可能性が高いです。

その場合は、当該企業での採用を諦め、外国人の方に別の企業を探してもらう、あるいは他の在留資格を検討するなどの別の道を迅速に検討する必要があります。

3. 在留資格の要件を再度確認する

再申請を検討する場合、不許可となった特定の理由だけを改善すればよいと考えがちですが、それは危険です。

入管が不許可理由として伝えたのは一部である可能性も考慮し、申請しようとしている在留資格の要件をすべて網羅的に満たしているか、改めて厳しく確認する必要があります。

在留資格の要件は入管法に詳細に定められています。

不許可にならないために企業が注意すべきこと

就労ビザ申請の不許可は、企業側にとっても外国人材にとっても大きな負担となります。

申請前に以下の点に注意を払うことで、不許可のリスクを大幅に減らすことができます。

1. 外国人の学歴と仕事内容の関連性を確認する

外国人を採用する際には、必ず卒業証明書や成績証明書などを確認し、これまでの学習内容と貴社での仕事内容に関連性があるかを慎重に判断してください。

どのような点に関連性があるかを明確に説明できるよう、業務内容を具体的に示すことが重要です。

2. 仕事内容と申請する在留資格が合致しているか確認する

従事させたい業務内容が、申請しようとしている在留資格で認められている活動範囲に含まれるかを事前に確認することが不可欠です。

特に留学生アルバイトとして採用していた人材をそのまま雇用する場合、アルバイト時の業務内容が就労ビザの活動に該当しないケースが多いので注意が必要です。

迷う場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

3. 仕事の内容に合う他の在留資格がないか検討する

申請しようとしている「技術・人文知識・国際業務」以外にも、業務内容に合った他の在留資格がないか検討することも重要です。

特に「特定技能」や「特定活動46号」は、従来の就労ビザでは難しかった分野での外国人雇用を可能にする場合があります。

  • 特定技能: 人手不足が深刻な特定の産業分野(介護、飲食料品製造、外食業など12分野)での就労を認める在留資格です。特定の技能試験や日本語試験に合格する必要があります。飲食店のホールスタッフなど、「技術・人文知識・国際業務」には該当しない業務でも雇用が可能になる場合があります。
  • 特定活動46号: 日本の4年制大学または大学院を卒業し、高い日本語能力を持つ外国人が、幅広い業務に従事できる可能性がある在留資格です。一般的なサービス業務や製造業務でも、日本語能力を活用する内容であれば認められる可能性があります。

適切な在留資格で申請することで、不許可を防ぐだけでなく、雇用後の在留資格の取り消しや更新不許可のリスクを減らし、外国人に安心して長く働いてもらうことができます。

4. 留学生等のアルバイト時間の管理を徹底する

留学生や家族滞在の在留資格を持つ外国人が資格外活動の許可を得てアルバイトをする場合、週28時間以内という制限があります。

企業側の都合でこの時間を超えて労働させた場合、外国人本人の次回のビザ更新や変更が不許可になるだけでなく、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。

外国人材を雇用する企業は、労働時間の管理を徹底する義務があります。

5. コンプライアンス遵守意識の高い派遣会社・紹介会社を選ぶ

人材派遣会社や紹介会社を通じて外国人材を受け入れる場合、その会社が適正な許可を得ているか、そしてコンプライアンス遵守意識が高いかを確認することが非常に重要です。

過去には、派遣会社が虚偽の申請を行い、外国人が実際の業務内容と異なる在留資格で働いていた事例で、派遣先企業も不法就労助長罪で立件されるケースがありました。

外国人材の受け入れにあたっては、信頼できるパートナーを選ぶことが、企業のコンプライアンスリスクを回避するために不可欠です。

まとめ

就労ビザ申請の不許可は、外国人材の採用を計画している企業にとって避けるべき事態です。

不許可の原因の多くは、学歴と職務内容の不一致、職務内容と在留資格の不一致、そして外国人材のこれまでの日本での在留状況に起因します。

これらの原因を事前に理解し、外国人材の採用計画段階で、学歴や職務経歴、日本語能力などを十分に確認し、従事させたい業務内容に最も適した在留資格を選択することが重要です。

また、雇用後も、特に留学生のアルバイト時間管理など、外国人材の適正な在留状況を維持するためのサポートが企業には求められます。

不許可になってしまった場合でも、理由を正確に把握し、改善の可能性があれば再申請を検討することができます。

しかし、再申請には時間と労力がかかり、必ずしも許可されるとは限りません。

外国人材の採用を成功させるためには、入管法の理解を深め、適切な手続きを行うことが不可欠です。

必要に応じて、行政書士などの専門家や、外国人雇用に実績のある人材サービス企業に相談することも、不許可リスクを低減し、安心して外国人材を受け入れるための有効な手段となります。

外国人材は、日本社会の多様性を豊かにし、企業の持続的な成長に貢献してくれるかけがえのない存在です。

適切な知識と準備をもって、外国人材採用に臨みましょう。

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