【2025年最新版】送り出し機関に関する企業向けガイド

送り出し機関とは

送り出し機関とは「海外現地で求人を募集し、日本へ送り出す機関」のことです。

技能実習制度だけでなく、特定技能や技術・人文知識・国際業務などの在留資格を持つ外国人の採用でも関わる重要な機関です。

送り出し機関の重要性

企業が送り出し機関について理解すべき理由:

  • 採用する外国人材の質に直結する
  • 来日前の契約内容が職場定着やパフォーマンスに影響
  • 悪質な送り出し機関による高額な借金問題が失踪や労働問題の原因になりうる

制度別:送り出し機関の役割と要件

技能実習制度における送り出し機関

技能実習制度の団体監理型では、送り出し機関の利用が必須です。主な役割は:

  • 技能実習生候補者の募集と選抜
  • 入国前教育の実施
  • 入国手続きのサポート
  • 帰国後のフォローアップ

送り出し機関の認定要件(規則第25条概略):

要件カテゴリー 具体的内容
公的推薦 所在国・地域の公的機関からの推薦
制度理解 技能実習制度の趣旨を理解し適切な候補者選定
手数料透明性 徴収する手数料の算出基準を明確化・公表・説明
帰国後支援 技能実習修了者への就職斡旋など必要な支援
協力体制 法務大臣、厚労大臣、外国人技能実習機構の調査等に応じる
法令遵守 役員が禁錮以上の刑に処せられ刑執行後5年経過していない者でない
不正行為禁止 過去5年以内に保証金徴収・違約金契約・人権侵害行為などを行っていない

特定技能制度における送り出し機関

特定技能制度では、必ずしも送り出し機関を経由する必要はありませんが、国によっては政府認定送り出し機関の利用が義務付けられています。

送り出し機関の利用義務と二国間協定

送り出し機関の利用が必須なケース

  • 技能実習制度の団体監理型
  • 特定の国からの特定技能外国人の受け入れ(ベトナム、フィリピン、ミャンマーなど)

カンボジア技能実習制度の趣旨を理解し適切な候補者選定所在国・地域の公的機関からの推薦

技能実習・特定技能共通 技能実習のみ 特定技能のみ
フィリピン ブータン マレーシア
カンボジア 東ティモール キルギス
ネパール タジキスタン
ミャンマー
モンゴル
スリランカ
インドネシア
ベトナム
バングラデシュ
ウズベキスタン
パキスタン
タイ
インド
ラオス

送り出し機関に関する問題点


※出入国在留管理庁

主な問題点

  • 高額な手数料や保証金の徴収
  • 違約金や不当な契約の締結
  • 制度上の問題と送り出し機関の問題が組み合わさり技能実習生の失踪の原因となる

技能実習生が送り出し機関に支払う費用

出入国在留管理庁の調査によると、技能実習生が支払う費用の総額は平均で約54万円に達します。
これは母国の賃金水準から見るとかなりの高額で、借金として抱えると返済が大きな負担となります。

送り出し機関の選び方

見るべきポイント

チェックポイント 確認内容
認定状況 現地政府から認定されている機関か
規模と実績 送り出し機関の規模・実績・紹介可能な候補者数・教育担当者の経歴
教育内容 日本語・マナー・専門分野について適切な教育を行っているか
費用の適正さ 技能実習生や特定技能外国人が支払う費用が適正か
コミュニケーション 窓口担当者の日本語能力は十分か
安定供給能力 継続的に人材を供給できる体制があるか
日本国内拠点 (特に技能実習の場合)日本国内に駐在事務所・支社を持っているか

確認方法

  • 特定技能制度:送り出し機関または人材紹介会社に直接確認
  • 技能実習制度:監理団体経由で確認(監理団体自体の選定も重要)
  • 効率重視なら、送り出し機関をスクリーニング済みの人材紹介会社の活用も検討

主要国の特徴と注意点

ベトナム国籍の方の採用

  • 技能実習・特定技能とも政府認定の送り出し機関利用が義務付け
  • 新規受け入れの場合、送り出し機関がベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)で手続きが必要
  • ノウハウ不足の場合は紹介会社の利用を推奨

フィリピン国籍の方の採用

  • MWO(旧POEA)認定の現地エージェント経由が必須(国内在住者も同様)
  • DMW公認のフィリピン現地人材会社との契約が必要
  • 駐日フィリピン大使館海外労働事務所(DMW)または在大阪フィリピン総領事館労働部門への書類提出
  • 受け入れ企業による英語面接が必要
  • レギュレーションが複雑なため、専門エージェントへの相談推奨

ミャンマー国籍の方の採用

  • ミャンマー政府認定の送り出し機関経由が必須
  • 求人票はミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)の承認が必要
  • 日本国内在住者は送り出し機関不要で採用可能
  • 申請手続きが複雑なため専門機関の活用を推奨

送り出し機関選定のまとめ

企業がとるべきアクション

  • 採用したい外国人材の出身国が二国間協定締結国かどうか確認
  • 該当国の送り出し機関利用要件を把握
  • 認定された送り出し機関かどうかのチェック
  • 送り出し機関の実績・教育内容・費用体系の確認
  • 技能実習制度利用時は監理団体の質も重視
  • 必要に応じて専門の人材紹介会社の活用を検討

悪質な送り出し機関を避けるために

  • 送り出し機関の透明性を重視(費用・教育内容・実績)
  • 監理団体や人材紹介会社からの情報収集
  • 可能であれば、すでに受け入れている企業からの評判確認
  • 日本国内に拠点があり、トラブル対応が早い機関を選定

結論

送り出し機関は外国人材の質と定着率を左右する重要な存在です。

悪質な送り出し機関による問題を避けるため、企業は送り出し機関について正しく理解し、適切な機関を選定することが求められます。

特に高額な保証金や違約金などの不当な契約を結ばせていないか確認することが、外国人材が安心して働ける環境づくりにつながります。

採用する国によって手続きや要件が大きく異なるため、特に初めて外国人採用を行う企業は、専門知識を持つ監理団体や人材紹介会社の助けを借りることも検討すべきです。

外国人材と企業の双方が安心して働ける関係構築のためにも、送り出し機関選定は慎重に行いましょう。

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